2008年 10月 19日
開いた窓 |
「伯母は、もうじきに降りてまいります、ナトル様」落ち着きはらった十五歳くらいの少女が言った。「それまではわたくしのようなもののお相手をしていただかねばなりませんけど」
フラムトン・ナトルは、後から来る伯母と、目の前にいる姪、どちらも軽んじてはいないということを理解してもらえるよう努めなければならなくなった。内心、こうやってあちこち訪問することが自分の神経症の回復に役立つものなのか、ますます疑わしくなってきた。
「目に見えてるわ」彼の姉は、転地療養の準備をする彼に言ったものだ。「死体みたいに引きこもって、話し相手もなくふさぎこんで、かえって悪くするのがオチよ。あちらで知り合った皆さまに紹介状を書いてあげます。それなりに良い人たちもいましたから」
フラムトンは、いまこうして面会を求めたサプルトン夫人が、はたして良い人の部類に入るのかどうかを考えていた。
「このあたりには、よほどお知り合いがいらっしゃいますの?」沈黙が不自然にならない頃合をうまく見計らって、姪が尋ねた。
「それが、まったく」フラムトンは言った。「姉が以前にこちらの牧師館でお世話になりまして、ええと、四年前でしたか、それで皆さんへの紹介状を書いてくれたんです」
最後のほうは、はっきりと遺憾の意を込めた感じの口調で。
「なら、伯母との面識はございませんのね?」少女は念を押した。
「お名前とお所だけ」なにせサプルトン夫人が既婚なのか未亡人なのかも知らない。家にはどことなく男性の生活感があるような、ないような。
「伯母は三年前、恐ろしい悲劇に見舞われました」と、少女が言った。「お姉様がお発ちの後ですわね」
「悲劇ですって?」フラムトンは聞き返した。こんなのどかな田舎で悲劇など、あまりにも縁遠いように思えた。
「十月の午後というのに、あのように窓を開けはなして、さぞご不審でしょう」と、姪の指し示すとおり、庭に面した大きなフランス窓が開いている。(訳注:「フランス窓」は、ガラスをはめ込んだ、床面まである両開きの窓)
「時期のわりに少し暖かいですから」フラムトンはそう言って、「あの窓が、そのおっしゃる悲劇となにか関係するのですか?」
「三年前のきょう、伯父と、伯母の二人の弟が、あの窓から狩りに出ていきました。そしてそれっきり帰ってきませんでした。お気に入りの狩り場に行く途中、沼地に呑み込まれてしまったのです。その年の夏は雨が多く降ったので、ふだん安全だったところが、深くまでぬかるんでいたのでしょう。三人とも見つかりませんでした。しかも、それは不幸の始まりでしかなかったのです」
ここで少女は声をひそめ、冷静だった口ぶりがにわかに人間味を帯びた。
「気の毒な伯母は、三人が、連れていった茶色のスパニエルと一緒に、あの窓越しに帰ってくるものと信じきっています。そのために、暗くなるまで窓を開けておくのです。伯母はよくわたくしに、伯父たちがどういうふうに出ていったか話します。伯父は白いレインコートを手に持っていったとか、伯母の弟のロニーは伯母が嫌がる『バーティ、どうしてお前は跳ねるんだ』を歌ってからかったとか。ですから今日のように静かな夕方になると、わたくしまであの窓から三人が——」
少女は震えて言葉を切った。伯母が遅れたことの非礼を詫びながら部屋に入ってきた。
「ベラでお相手ができましたかしら?」と、夫人。
「とても興味深いお話をうかがいました」フラムトンは応じた。
「窓を開けたままですけれど、どうぞお気になさらずに」サプルトン夫人は陽気に言う。「夫と弟たちが狩りから帰るたびにあの窓を使うんですの。沼地から帰ってきたら敷物が台なしになってしまいますわね。殿方というのは、どなたもそういうところがございますでしょう?」
夫人は狩りのことや渡り鳥の減少、冬の鴨料理の準備などについて話しはじめた。フラムトンはといえばうすら寒いものを感じるばかり。どうにか話題をそらそうとは努めたが、あまりうまくいかない。夫人の視線は彼と話している最中も彼を通り越し、開いた窓や庭のほうをちらちら見ている。なんだってこんな日に訪れてしまったのだろうと思った。
「医者たちが言うには、僕には完全な休養が必要なんだそうで、興奮せず、激しい運動も避けるようにと」フラムトンが説明した(彼は彼で、会う人会う人がみな自分の病気や、その原因や、治療のしかたに興味を持つだろうという、わりとありがちな妄想にとりつかれているのだ)。「まあ食生活に関する意見は一致していないのですが」などと続ける。
「そうなんですの?」最後のほうはあくびを噛み殺したような調子で応じていたサプルトン夫人が、いきなり顔を輝かせた——しかし、フラムトンの言葉に反応したものではなかった。
「ああ、間に合いましたわ」と夫人は叫んだ。「お茶の時間にぴったり。まあ、あんなに、眼のなかまで泥だらけじゃない!」
フラムトンは同情と理解を込めたまなざしで姪のほうを見やった。しかし少女は恐怖に震えた目で開いた窓のほうを見つめている。得体の知れない恐怖とともに、彼も窓へと向きなおった。
暮れゆく薄暗がりのなかから現われた三つの人影が、窓のほうへ庭を横切ってきた。みな銃を担ぎ、しかもそのうちのひとりは白いコートを肩にかけていた。疲れた様子の茶色いスパニエルが従っていた。彼らは音もなく静かに近付いてきたが、しゃがれた若い声が「バーティ、どうしてお前は跳ねるんだ」と歌い出した。
フラムトンは杖と帽子を乱暴につかむと、玄関も砂利道も正門も構わず一目散に逃げ出した。ちょうど通りかかった自転車が、飛び出してきた彼を避けようとして生垣に突っ込んだ。
「やあ、ただいま」白いマッキントッシュコートを手にしたサプルトン氏は窓枠をまたぎながら、「いや、かなり泥まみれになったけど、ほとんど乾いてるってば。ところで、いま出ていった人はなんだい?」
「おかしな方なのよ。ナトルさんとかおっしゃるのだけど」サプルトン夫人が答えた。「ご自分の病気のことしか話さないし、あなたがお帰りになったと思ったら、さよならもなにも言わず走っていって。まるで幽霊でも見たみたい」
「きっと犬のせいだわ」
姪は静かに言った。
「むかし犬にひどい目にあわされたと、おっしゃっていたの。ガンジスの岸辺にあるどこかの霊園で野犬の群れに襲われたんですって。新しく掘られていた墓穴のなかに逃げ込んで、犬が唸ったり歯を剥いたり泡を吹いたりするのを聞きながら一晩過ごしたそうよ。それ以来すっかり参ってしまったって」
作り話は彼女の得意技なのだ。
*1:原文:My aunt will be down presently, Mr. Nuttel, ——「伯母」か「叔母」か、もちろん僕にはわかりません。「おば」と開けばよいのですが、頻出する語句でもあり、送りがなや格助詞に埋没してしまいがち。というわけで、「少女の母は少し身体が弱いので、両親はスイスにて療養中。そういうわけで少女は母の姉が嫁いだサプルトン家に預けられたのだろう」などと勝手に決めました。
*2:この段落はもう少し自然な流れにしたかったのですが、どうもうまくいきませんでした。原文からしてなんとなく唐突な感じがするのでしかたないのですが。
*3:原文:the hall door, the gravel drive, and the front gate were dimly noted stages in his headlong retreat. ——ご覧の通り、原文直訳ではありません。「玄関や砂利道や正門は、彼の大慌ての退却があやふやに記憶する舞台だった」みたいな感じですかね。この芸術的な原文の意を汲みつつ邦訳できたなら僕も大したものなのですが、どうも修辞的にうまくいかないので、「とにかく慌てた感じ」を優先させました。
*4:原文:Here we are, my dear. ——さすがに「僕らはここだよ、愛しい人」などと訳すわけにもいかないので、ごく普通に意訳。
*5:原文:the bearer of the white mackintosh ——Macユーザーなもので……いや違うって。防水コートのことです。固有名詞は小説には邪魔なもの。正直いって迷っています。そもそも日本では馴染みがないし。
*6:原文:coming in through the window ——非常に誤解を招きかねない表現ですかね。おそらくこの「フランス窓」はもともと出入りするためのものだと思います(もっとも、窓枠はどんな窓にもあるので、決して「間違い」にはなりません)。鎧戸つき窓状観音扉みたいな感じ。原文でも実際のところ詳しい描写はされていないので、彼らが本来は出入り口でも何でもない窓を使って庭にから入ってくる、毎度のことにサプルトン夫人あきれはてる、みたいな微笑ましい情景を妄想しても罰はあたらな——あ、でも犬はどうするかな。ジャンプ?
*7:原文:I expect it was the spaniel. ——家族の会話なら、飼い犬の名前を言ってもいいところだと思うのですが(個人的には、彼女は動物を可愛がるタイプだと思います)、固有名詞が小説の邪魔をすることはよくあることなので、まあ仕方ないのでしょうね(あれ、マッキントッシュは?)。ただ、「そのスパニエルのせいよ」などというと、飼い犬そのものを特定しすぎてあまりにも冷たい言い方のような気がするので、フラムトンの遁走を「犬」全体にblameするという意図を表現するため、このようにしました。もしこの娘が犬嫌いだったりしたらとんだお門違いになってしまいますな。
*8:削除
*9:原文:snarling and grinning and foaming ——きっと淀みなく一気に言ったと思いますよ。
フラムトン・ナトルは、後から来る伯母と、目の前にいる姪、どちらも軽んじてはいないということを理解してもらえるよう努めなければならなくなった。内心、こうやってあちこち訪問することが自分の神経症の回復に役立つものなのか、ますます疑わしくなってきた。
「目に見えてるわ」彼の姉は、転地療養の準備をする彼に言ったものだ。「死体みたいに引きこもって、話し相手もなくふさぎこんで、かえって悪くするのがオチよ。あちらで知り合った皆さまに紹介状を書いてあげます。それなりに良い人たちもいましたから」
フラムトンは、いまこうして面会を求めたサプルトン夫人が、はたして良い人の部類に入るのかどうかを考えていた。
「このあたりには、よほどお知り合いがいらっしゃいますの?」沈黙が不自然にならない頃合をうまく見計らって、姪が尋ねた。
「それが、まったく」フラムトンは言った。「姉が以前にこちらの牧師館でお世話になりまして、ええと、四年前でしたか、それで皆さんへの紹介状を書いてくれたんです」
最後のほうは、はっきりと遺憾の意を込めた感じの口調で。
「なら、伯母との面識はございませんのね?」少女は念を押した。
「お名前とお所だけ」なにせサプルトン夫人が既婚なのか未亡人なのかも知らない。家にはどことなく男性の生活感があるような、ないような。
「伯母は三年前、恐ろしい悲劇に見舞われました」と、少女が言った。「お姉様がお発ちの後ですわね」
「悲劇ですって?」フラムトンは聞き返した。こんなのどかな田舎で悲劇など、あまりにも縁遠いように思えた。
「十月の午後というのに、あのように窓を開けはなして、さぞご不審でしょう」と、姪の指し示すとおり、庭に面した大きなフランス窓が開いている。(訳注:「フランス窓」は、ガラスをはめ込んだ、床面まである両開きの窓)
「時期のわりに少し暖かいですから」フラムトンはそう言って、「あの窓が、そのおっしゃる悲劇となにか関係するのですか?」
「三年前のきょう、伯父と、伯母の二人の弟が、あの窓から狩りに出ていきました。そしてそれっきり帰ってきませんでした。お気に入りの狩り場に行く途中、沼地に呑み込まれてしまったのです。その年の夏は雨が多く降ったので、ふだん安全だったところが、深くまでぬかるんでいたのでしょう。三人とも見つかりませんでした。しかも、それは不幸の始まりでしかなかったのです」
ここで少女は声をひそめ、冷静だった口ぶりがにわかに人間味を帯びた。
「気の毒な伯母は、三人が、連れていった茶色のスパニエルと一緒に、あの窓越しに帰ってくるものと信じきっています。そのために、暗くなるまで窓を開けておくのです。伯母はよくわたくしに、伯父たちがどういうふうに出ていったか話します。伯父は白いレインコートを手に持っていったとか、伯母の弟のロニーは伯母が嫌がる『バーティ、どうしてお前は跳ねるんだ』を歌ってからかったとか。ですから今日のように静かな夕方になると、わたくしまであの窓から三人が——」
少女は震えて言葉を切った。伯母が遅れたことの非礼を詫びながら部屋に入ってきた。
「ベラでお相手ができましたかしら?」と、夫人。
「とても興味深いお話をうかがいました」フラムトンは応じた。
「窓を開けたままですけれど、どうぞお気になさらずに」サプルトン夫人は陽気に言う。「夫と弟たちが狩りから帰るたびにあの窓を使うんですの。沼地から帰ってきたら敷物が台なしになってしまいますわね。殿方というのは、どなたもそういうところがございますでしょう?」
夫人は狩りのことや渡り鳥の減少、冬の鴨料理の準備などについて話しはじめた。フラムトンはといえばうすら寒いものを感じるばかり。どうにか話題をそらそうとは努めたが、あまりうまくいかない。夫人の視線は彼と話している最中も彼を通り越し、開いた窓や庭のほうをちらちら見ている。なんだってこんな日に訪れてしまったのだろうと思った。
「医者たちが言うには、僕には完全な休養が必要なんだそうで、興奮せず、激しい運動も避けるようにと」フラムトンが説明した(彼は彼で、会う人会う人がみな自分の病気や、その原因や、治療のしかたに興味を持つだろうという、わりとありがちな妄想にとりつかれているのだ)。「まあ食生活に関する意見は一致していないのですが」などと続ける。
「そうなんですの?」最後のほうはあくびを噛み殺したような調子で応じていたサプルトン夫人が、いきなり顔を輝かせた——しかし、フラムトンの言葉に反応したものではなかった。
「ああ、間に合いましたわ」と夫人は叫んだ。「お茶の時間にぴったり。まあ、あんなに、眼のなかまで泥だらけじゃない!」
フラムトンは同情と理解を込めたまなざしで姪のほうを見やった。しかし少女は恐怖に震えた目で開いた窓のほうを見つめている。得体の知れない恐怖とともに、彼も窓へと向きなおった。
暮れゆく薄暗がりのなかから現われた三つの人影が、窓のほうへ庭を横切ってきた。みな銃を担ぎ、しかもそのうちのひとりは白いコートを肩にかけていた。疲れた様子の茶色いスパニエルが従っていた。彼らは音もなく静かに近付いてきたが、しゃがれた若い声が「バーティ、どうしてお前は跳ねるんだ」と歌い出した。
フラムトンは杖と帽子を乱暴につかむと、玄関も砂利道も正門も構わず一目散に逃げ出した。ちょうど通りかかった自転車が、飛び出してきた彼を避けようとして生垣に突っ込んだ。
「やあ、ただいま」白いマッキントッシュコートを手にしたサプルトン氏は窓枠をまたぎながら、「いや、かなり泥まみれになったけど、ほとんど乾いてるってば。ところで、いま出ていった人はなんだい?」
「おかしな方なのよ。ナトルさんとかおっしゃるのだけど」サプルトン夫人が答えた。「ご自分の病気のことしか話さないし、あなたがお帰りになったと思ったら、さよならもなにも言わず走っていって。まるで幽霊でも見たみたい」
「きっと犬のせいだわ」
姪は静かに言った。
「むかし犬にひどい目にあわされたと、おっしゃっていたの。ガンジスの岸辺にあるどこかの霊園で野犬の群れに襲われたんですって。新しく掘られていた墓穴のなかに逃げ込んで、犬が唸ったり歯を剥いたり泡を吹いたりするのを聞きながら一晩過ごしたそうよ。それ以来すっかり参ってしまったって」
作り話は彼女の得意技なのだ。
("The Open Window" in "Beasts and Super Beasts" by SAKI)
Last Update: 2019.5.27
この翻訳はPenguin Booksの"The Complete SAKI"を底本にしています。
サキ(ヘクター・ヒュー・マンロー)の一連の著作はProject Gutenbergから入手することが可能です。
サキ(ヘクター・ヒュー・マンロー)の一連の著作はProject Gutenbergから入手することが可能です。
よりすぐれた先訳をオンラインで読めます:サキ コレクション vol.1
よりすぐれた別訳をオンラインで読めます:着地した鶏訳
中村能三訳『サキ短編集』(新潮文庫)にも収録されています。
和爾桃子訳『けだものと超けだもの』(白水Uブックス)にも収録されています。
*1:原文:My aunt will be down presently, Mr. Nuttel, ——「伯母」か「叔母」か、もちろん僕にはわかりません。「おば」と開けばよいのですが、頻出する語句でもあり、送りがなや格助詞に埋没してしまいがち。というわけで、「少女の母は少し身体が弱いので、両親はスイスにて療養中。そういうわけで少女は母の姉が嫁いだサプルトン家に預けられたのだろう」などと勝手に決めました。
*2:この段落はもう少し自然な流れにしたかったのですが、どうもうまくいきませんでした。原文からしてなんとなく唐突な感じがするのでしかたないのですが。
*3:原文:the hall door, the gravel drive, and the front gate were dimly noted stages in his headlong retreat. ——ご覧の通り、原文直訳ではありません。「玄関や砂利道や正門は、彼の大慌ての退却があやふやに記憶する舞台だった」みたいな感じですかね。この芸術的な原文の意を汲みつつ邦訳できたなら僕も大したものなのですが、どうも修辞的にうまくいかないので、「とにかく慌てた感じ」を優先させました。
*4:原文:Here we are, my dear. ——さすがに「僕らはここだよ、愛しい人」などと訳すわけにもいかないので、ごく普通に意訳。
*5:原文:the bearer of the white mackintosh ——Macユーザーなもので……いや違うって。防水コートのことです。固有名詞は小説には邪魔なもの。正直いって迷っています。そもそも日本では馴染みがないし。
*6:原文:coming in through the window ——非常に誤解を招きかねない表現ですかね。おそらくこの「フランス窓」はもともと出入りするためのものだと思います(もっとも、窓枠はどんな窓にもあるので、決して「間違い」にはなりません)。鎧戸つき窓状観音扉みたいな感じ。原文でも実際のところ詳しい描写はされていないので、彼らが本来は出入り口でも何でもない窓を使って庭にから入ってくる、毎度のことにサプルトン夫人あきれはてる、みたいな微笑ましい情景を妄想しても罰はあたらな——あ、でも犬はどうするかな。ジャンプ?
*7:原文:I expect it was the spaniel. ——家族の会話なら、飼い犬の名前を言ってもいいところだと思うのですが(個人的には、彼女は動物を可愛がるタイプだと思います)、固有名詞が小説の邪魔をすることはよくあることなので、まあ仕方ないのでしょうね(あれ、マッキントッシュは?)。ただ、「そのスパニエルのせいよ」などというと、飼い犬そのものを特定しすぎてあまりにも冷たい言い方のような気がするので、フラムトンの遁走を「犬」全体にblameするという意図を表現するため、このようにしました。もしこの娘が犬嫌いだったりしたらとんだお門違いになってしまいますな。
*8:削除
*9:原文:snarling and grinning and foaming ——きっと淀みなく一気に言ったと思いますよ。
by islecape
| 2008-10-19 18:19
| サキ